変革する時代の経営戦略
当社はソフトウェアベンダーとして、自社パッケージの提供とユーザー要望に応じた受託開発を通じ、提案から納品・アフターサポートまでを一貫して担うことで、高い顧客満足度の実現に取り組んできました。
近年、顧客層のITリテラシーの二極化やシステム投資余力の減少、あるいは大手IT企業のスピード感とサービス価格の低下といった市場環境の変化により、従来の事業モデルだけでは競争力を維持することが困難になりつつあります。
こうした状況を踏まえ、当社は今後の変革を見据えた経営ビジョンとして、顧客の真の課題に寄り添い、クラウド・AI等の先端技術を活用した価値提供によって、ユーザーのビジネス変革を支援する「伴走型DXパートナー企業」への進化を掲げます。
情報処理技術の活用
これらのビジョンを推し進める具体的な戦略として、以下のようなクラウドやAIを軸とした情報処理技術の活用を通じ、社内外におけるDXを加速させるとともに、顧客企業の変革に貢献できる存在を目指したいと考えています。
1. 製品・サービスのクラウド化とSaaS化の推進
既存のオンプレミス製品を段階的にクラウド対応し、ユーザーが容易に導入・運用・拡張できる仕組みへと転換
マルチテナント型クラウド基盤の構築により、スモールスタートからの導入や継続課金モデルへの転換を推進
2. 社内業務の見える化と経営判断の高速化
提案・見積から納品・保守までのプロセスを統合管理し、収益性・作業負荷などのKPIをリアルタイムに可視化
SFA・BIツールを活用して属人化排除・営業活動の改善、リードタイムの短縮と業務効率化を実現
3. AIの利活用による開発・顧客支援の強化
自社開発プロセスにおいて、コード生成補助やテスト自動化などにAIを適用し、生産性を向上
顧客向けサービスにおいても、AIチャットボットや業務予測支援などを組み込み、利用価値の高い製品提供へと進化
戦略を推進する組織体制構築と環境整備
当社では、DX推進における組織体制として「開発三課」を新設し、当該課の課長をDX推進の責任者に
任命しました。
この責任者は、DXに関わる技術選定・社内業務改善・顧客向けDX支援の全体統括を担い、総務・営業・経理などの他部門とも密接に連携しながら、技術面にとどまらず業務フローや制度面の改革を推進しています。
またデジタル人材の育成・確保にも力を入れており、社外セミナー・技術イベントへの積極的な参加による外部知見の習得や、社内勉強会を定期的に開催し、最新技術・業務知識の共有、さらに自主提案・技術検証の推奨による「自走力ある技術者」の育成などに取り組んでいます。
今後も外部パートナーとの協業や、若手・中堅社員の成長支援を通じて、継続的にDX人材の層を厚くしていく計画です。
さらに、以下の環境整備を進めることで、俊敏で柔軟なシステム運用体制を構築し、社内外双方のDXを支えるインフラ整備を継続していきます。
・SFA・会計連携を前提とした業務統合システムの導入・構築
・ノーコード・ローコードツールの全社展開
・クラウド基盤への段階的な移行
成果指標の設定
当社では、DX戦略の進捗と成果を定量的に評価するために、以下のKPI(重要業績評価指標)を設定し、継続的なモニタリングを実施してまいります。
①営業の成約率および案件数の推移
・提案活動に対する成約率を定期的に計測し、営業効率の改善を目指す
・SFAシステムにより案件進捗の定量管理を可能とし、営業活動の改善PDCAに活用。
②AI活用による開発・業務時間の短縮率
・コード生成支援等のAI活用によって、主要工程の所要時間を計測
・導入前後の比較を通じて、工数短縮率(例:平均15%削減)を目標設定
③社内勉強会の実施回数と参加率
・社内勉強会を月1回以上の頻度で開催し、参加率70%以上を維持することを目標とする
・開催テーマや技術領域ごとの蓄積により、社員のスキル向上とDX意識の醸成を評価
代表の思い
当社は創業以来、お客様の課題に正面から向き合い、単なるシステム開発にとどまらず、提案段階から納品、サポートに至るまで一貫したサービスを提供することで、確かな信頼関係を築いてまいりました。こうした取り組みの中で、ITやデジタル技術を活用し、お客様の業務改善や経営課題の解決に寄与する姿勢を大切にしてきたと自負しています。
昨今、ITを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。クラウドやAIといった技術の普及により利便性が向上する一方で、企業には情報の選別力や変革への意思決定がより一層求められる時代となりました。当社も例外ではなく、従来のやり方だけでは立ち行かない現実に直面しており、自らの業務や組織を見直し、進化させていく必要性を強く感じています。
こうした背景のもと、当社は「伴走型DXパートナー企業」への進化を掲げ、新たなビジョンのもとで変革に取り組んでいます。自社パッケージのクラウド化や、AIの業務活用といった社内変革を推進するとともに、顧客企業のDXを支援する「内外両面での変革」を進めてまいります。
また、私たちが目指すDXは単に技術を導入することだけではありません。お客様の業務に深く入り込み、共に課題を見つけ解決を目指していくことこそが「本質的なDX」であり、提供すべき価値の中核であると捉えています。
これからも時代の変化に柔軟に対応しながら、お客様に寄り添う姿勢を忘れず、より高い品質と信頼性を備えたサービスを提供し続けてまいります。
当社のDX推進に関する取り組みや進捗状況については、今後も本ホームページ上にて随時ご案内いたします。
株式会社エービーエス
代表取締役社長 油川竜也
課題の把握と対応
当社ではDX推進にあたり、情報システムや業務プロセスに関する課題を経営層が主体的に把握し、定期的に見直しを行うため、
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX推進指標による自己診断」により自己分析を実施し結果を提出しております。
サイバーセキュリティに関する対応方針
当社では、サイバーセキュリティをDX推進の基盤と位置づけ、組織的かつ継続的な対策を講じています。
全社員の業務用PCにはウイルス対策ソフトを導入し、アクセス制御やパスワード
管理などの基本的なセキュリティ対策も社内規定に基づいて実施しています。
また、中小企業の情報セキュリティ向上を目的とした
自己宣言制度「SECURITY ACTION(二つ星)」を宣言しています。
本宣言に基づき、情報セキュリティ5か条の実践や、社内教育・啓発活動を通じた全社的なセキュリティ意識の向上に努めています。
なお、かねてより情報保護体制の一環としてプライバシーマーク(pマーク)も
取得しており、「個人情報保護方針」を自社Webサイト上で明示しています。
これにより、個人情報の取り扱いを含めた情報管理の適正性を対外的に示しています。
今後も継続的な改善を図り、信頼性の高いサービス提供を支える情報管理体制を強化してまいります。